このページでは、SD(スチールドア)の納まりの基礎を学ぶことができます
RC造・S造・内部開口の詳細図を比較しています
SDについての基礎知識はこちら 【完全保存版】SD(スチールドア)の基礎知識
基本納まり詳細図について
CADデータダウンロード
本記事で利用した納まり詳細図CADデータは下記より無料ダウンロード可能です
単線データですので建築図などでご利用ください
納まり共通基本情報・注意事項
・SDは自由度が高いため、枠形状や躯体までの逃げ寸法などは一般的な参考値です
・金物の基本仕様は、ドアクローザー内付(パラレル型)、丁番、レバーハンドルを想定
・枠形状はエアタイト無し枠で作図していますが、SAT枠の場合も形状や納まりは基本的に同じです
・コストについては製作メーカーにより異なるため、あくまで参考としてください
RC造 2種類
コンクリート打ち放し 同面納まり
【納まり解説】RC造の一般的な納まり。窓の場合は抱き納まりが基本だが、SDの場合は躯体と同面納まりを採用することが多い。ドアを全開放できること、躯体立上りがある時に水切なしに出来るメリットがある。しかし止水性が低いため、必ず上枠水切を設置
【固定方法】 躯体に鉄筋棒で溶接。溶接後は防水モルタル充填
【その他情報】SDの共通事項として、下枠はSUS t=2.0。H寸法押えは床から
内装仕上げはウレタン吹付+GL工法を想定した枠見込。外壁との取合シールはMS-2。セミエアタイト(SAT)枠の場合、上枠水切なしとする物件も希にあるが推奨しない
コンクリート打ち放し 抱き納まり
【納まり解説】同面納まりに比べ止水性に優れる。セットバックしているため枠見込は小さくなり建具のコストは下がる。ドアを開く場合、RC躯体のアゴに干渉し180度全開できない為、有効開口がシビアな時は注意。丁番(本図では省略)が付くため、躯体との外チリは25mm以上確保するのが一般的
【固定方法】 躯体に鉄筋棒で溶接。溶接後は防水モルタル充填
【その他情報】躯体の立上りがある場合は、躯体水切ではなくSUS水切を設置する場合もある
補足 枠形状の違いについて
SDは曲げ加工で製作されるため、枠形状の自由度が高いが、基本的な枠形状は2種類である
【基本情報】戸当りが枠中央にあり”W枠”等と呼ばれる。戸当りと額縁のチリは15mm。使用頻度高
【特徴】 枠見込が変わる場合、戸当り部分の見込を変え内外対称の形状を基本とするが、変更は可能。本図の見込は230mm(46mm+138mm+46mm)。この枠をは内外の壁位置が揃うため汎用性が高い
【その他情報】内外の壁納まりが同面位置であるため、光漏れを懸念するときは対策として右図のように、枠に折返しを設けるか、だき枠としボードを差し込む
【基本情報】戸当りがフラットで額縁と一体の形状。”V枠”や”Z枠”等とも呼ばれる。使用頻度はW枠より低い
【特徴】 段差がないためすっきりした印象。内装仕上げ位置が内外で変わるため、仕上げ位置の調整が必要。仕上げ位置を揃える場合、右図のように見付が40となり、重たい印象となるため注意。見込みが小さい場合には曲げが出来ず、必然的にこの枠形状となる。コストは曲げ回数が少なくるため下がる傾向にあるが、製作先による
【その他情報】W枠V枠共通で、平面図の右に示すように壁が枠と直行する場合、開いた時にハンドルと壁の干渉がないか注意
S造 3種類
ALC納まり
【納まり解説】ALCの標準納まり。枠形状はRC同面納まりと共通。上枠水切設置は必須
【固定方法】 開口補強鋼材へ鉄筋棒で溶接。溶接後は防水モルタル充填
【その他情報】UL(乾式軽量フカシ壁)工法を想定した枠見込。建具寸法はALC割付により決定。ALCとの取合シールはMS-2
ECP納まり
【納まり解説】ECPの基本納まり。同面納まり
【固定方法】 開口補強へ溶接。ECPの変位を阻害する為モルタル充填は禁止
【その他情報】乾式で外壁取合はダブルシールを打設する為、枠の曲げ返しは深くなる。取合シールはMS-2。枠見込はLGSを想定した寸法。建具寸法はECP版サイズにより決定する。
サイディング納まり
【納まり解説】サイディングの基本納まり。枠を曲げ返しヒレを設け防水シートを受ける
【固定方法】 ヒレは鉄骨胴縁へビス止め。本体は胴縁へ溶接
【その他情報】鉄骨用アルミサッシのようにビス止め専用枠でない為、右図のように安全の為にヒレを設けず胴縁間シールで納める事例もある。枠見込は内壁Mバーで想定
内部開口 2種類
RC壁開口納まり
【納まり解説】内部開口では壁仕上げ位置を、内外で揃えるためW枠を採用する場合が圧倒的に多い
【固定方法】 躯体に溶接後、モルタル充填必要
軽量鉄骨LGS開口
【納まり解説】LGS開口の標準納まり
【固定方法】 開口補強へ溶接固定
補足 内部開口SDの下枠種類
床仕上げや意匠等で使い分ける。下枠は無くても防火設備で対応は可能
【コの字】SD内外で床仕上げが異なる時、一般的に使用。施工前に下枠にモルタル充填必要
【下枠無し】部材が無いため若干コストは下がる
【フラットバー】シャープな印象となる。下枠モルタル充填の工程は無くなる
【気密下枠】気密や防音が必要な場合に選択
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