【解説】アルミサッシ 基本納まり図集

ここでは、サッシの納まりの基礎を学ぶことができます。RC造・S造・木造での断面図(構造図)を比較し解説をしています

スポンサーリンク

基本納まり詳細図について

CADデータダウンロード

本記事で利用したCADデータは下記より無料ダウンロード可能です
アルミサッシ図面CADデータ

納まり共通基本事項・注意事項

・枠形状・水切・サッシ枠から躯体までの逃げ寸法などはメーカーにより異なります
・本記事は大手サッシメーカー3社と外壁メーカーカタログを参考に作成した平均的な納まりです
・RC造、S造はビル用サッシ、木造は住宅用サッシです
・コストはメーカーや窓種により変動するため、あくまで参考としてください

サッシ図(サッシ施工図)の見方・読み方

本記事は納まり全体概要の解説です。より詳しい、サッシ図の見方を知りたい方はこちらをどうぞ
【完全保存版】サッシ図の基本|見方・読み方徹底解説

RC造 3種類

コンクリート打ち放し 抱き納まり

図面-コンクリート打ち放し 抱き納まり

RC造の最も一般的な納まり。雨仕舞の良い抱き納まりが基本
【サッシ枠種類】RC枠(ビル用サッシは見込70mmが主流。100mmは高級感有り)
【固定方法】  躯体に鉄筋棒にて溶接。溶接後は防水モルタル充填
【コスト】   サッシは安価
【注意事項等】 一般的に額縁見付25mm、チリ3方15mm。内装はウレタン+GL工法想定。水切部躯体欠込み

RC納まりの更に詳細な解説はこちらをどうぞ 【納まり詳細図】サッシRC納まり|標準図のポイントと応用

タイル 抱き納まり

図面-タイル抱き納まり

外壁がタイル貼の一般的な納まり。水切はタイルで納める場合もある
【サッシ枠種類】RC枠

【固定方法】  躯体に鉄筋棒にて溶接。溶接後は防水モルタル充填
【コスト】   サッシは安価
【注意事項等】 止水性を向上する場合はALC枠等を利用し2重シール施工(右図)。コストアップ

タイル 同面納まり

図面-RCタイル面一同面納まり

外壁とサッシを同面で納める場合。雨の吹込があるため、窓種の選択に注意
【サッシ枠種類】同面枠(面一枠)

【固定方法】  躯体に鉄筋棒にて溶接。溶接後は防水モルタル充填
【コスト】   サッシはRC枠より増。タイル面積減。額縁出幅増。総合的には増傾向
【注意事項等】 抱き納まりに比べシーリングが雨に晒されるため、ダブルシールが基本

S造 5種類

ALC納まり

図面-ALC納まり

ALCの標準的な基本納まり
【サッシ枠種類】ALC枠(ALC用の専用枠)

【固定方法】  開口補強鋼材へ鉄筋棒にて溶接。溶接後は防水モルタル充填
【コスト】   サッシは安価
【注意事項等】 UL(乾式軽量フカシ壁)工法での額縁出幅。サッシ寸法はALC版サイズにより決定

ECP納まり 外部雨切フィン

図面-ECP納まり見切付

ECPの基本納まり。サッシが外壁よりセットバックする為、雨の吹込に有利
【サッシ枠種類】サッシ枠+外部雨切フィン(外部見切)

【固定方法】  開口補強へ溶接。モルタル不要
【コスト】   サッシはALC枠より高価
【注意事項等】 乾式の為ダブルシールが基本。
サッシ寸法はECP版サイズにより決定

ECP納まりの更に詳細な解説はこちらをどうぞ 【納まり詳細図】サッシECP納まり|標準図のポイント

ECP同面納まり

図面-ECP同面納まり

ECPとサッシを同面で納める場合
【サッシ枠種類】同面枠(面一枠)

【固定方法】  開口補強へ溶接。モルタル不要
【コスト】   サッシはALC枠より高価
【注意事項等】 乾式の為ダブルシールが基本。溶接スペース確保の為額縁チリが小さくなる場合有(本図は5mm)

サイディング納まり 半外枠

図面-サイディング鉄骨納まり半外枠

サイディングの基本納まり
【サッシ枠種類】半外枠(鉄骨枠)

【固定方法】  鉄骨胴縁へビス止め
【注意事項等】 意匠性に劣り、主に工場等で採用。
外壁とサッシ間のシール要否は外壁施工要領による

サイディング納まりのより詳細な解説はこちらをどうぞ 【納まり詳細図】サッシサイディング納まり|標準図のポイント

サイディング納まり 外部雨切材(外見切、外額縁)

図面-サイディング納まり鉄骨用雨切フィン

半外枠に比べ、意匠性アップ、雨吹込にも有利
【サッシ枠種類】サッシ枠+鉄骨用外部雨切材

【固定方法】  胴縁へ溶接、雨切材はビス止め
【コスト】   サッシは半外枠より高価

【注意事項等】 内壁はMバーでの額縁出幅。外壁とサッシ間のシール要否は外壁施工要領による

木造 2種類

サイディング(乾式工法)

図面-住宅サッシ窯業系サイディング

住宅用サッシの一般的な納まり。近年主流のサイディング外壁(t14~16mm)詳細図
【サッシ枠種類】住宅用半外サッシ

【固定方法】  木下地へビス止め
【コスト】   住宅用は規格寸法があるため注意 
【注意事項等】 本図はアルミサッシ想定だが、樹脂サッシでも基本は納まり共通。額縁は既製品(見付20,21,24mm)が使用されることが多い。メーカーによりサッシ枠見込は70~100mmと種類が多い。ビル用サッシとWH押えが異なる

湿式工法

図面-木造湿式工法

湿式工法での基本的な納まり
【サッシ枠種類】住宅用半外サッシ

【固定方法】  木下地へビス止め
【注意事項等】 外壁はラス+モルタル仕上げ。外壁が厚いためサッシ枠の選定に注意
 

CADデータダウンロード

本記事で利用したデータは下記よりダウンロード可能です
ダウンロードはこちらから

コメント

  1. サッシや建具のおさまりが詳しく描かれていて、大変役に立ちました。
    機械製図は長年やってきたのですが、建築の製図はいまひとつわからず、エクスナレッジから出版されている本などを見ても理解できなかったのですが、ここにアップロードされているサッシのデータなどをダウンロードして一つ一つ確認していたら少しずつわかるようになってきました。
    役立つサイトをありがとうございます。感謝の気持ちでいっぱいです。

    • お忙しい中コメント頂きお礼申し上げます。そう言って頂けると運営の励みになります。もし不明点ありましたお気軽にコメントください